story
walk inside / 只木芳明 個展

 
 

只木芳明の作品、あるいはその姿勢に接するときに思い出す話がある。知人の話なんですけど。

 

キャンプをして皆で焚き火を囲み、あてどなく話しながら手元のナイフで木片を削り、やがてお玉のような匙のようなものが出来上がった。みんながちょっとずつ削ったりもしていたのかな。
その場限りのものだと思い作られていたけれど、なかの一人がその後も使い続けているそうだ。不思議に使いやすく手が伸びるんだとか。
技巧的にすごいわけではないし、洗練されているかといわれれば、そんなこともないだろう。

 

もちろん、只木さんが作ったものはフォルムや肌感もずっとシャープで繊細なんだけれど、実直さや、親密さ、軽やかさといったフィーリングは重なるように感じる。

 

木はすぐに始められる。この部屋から、机上でも、あるいはベッドでもかまわない。作り手の瞬間的な湧き上がり、手応え、その鮮度を捕まえ、形や肌に固着させ、それがそのままこちらに届くようだ。うちからうちへ。

 

ん。それって結構重めなんじゃないのと思いきや、出来上がってくるものは、好きにしてくれとでも言わんばかりの軽妙さと余白がたっぷりで、使い手の想像力を楽しませてくれる。

 
 

会期: 4月29日(水/祝)~5月17日(日)

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今回の企画展はオンラインで楽しんでいただけるようにと考えております。

ご来店をご希望の方は、メール, お電話などで事前にアポイントいただきますよう、お願いいたします。ご希望の日時とお名前をお知らせください。

 

オンラインストアで作品をお求めいただけるようにいたします。

また、在廊に代わりインスタライブで、只木さんの制作風景と当店の展示風景を合わせてご覧いただく予定をしております。
配信はランダムに複数回で考えております。タイミングが合えば、頼りないラジオのようにお付き合いください。

 

作品をお求めいただいた方にはMOUNT COFFEEさんによる「タダキブレンド」の珈琲豆をお付けいたします。ある程度の量をご用意いたしますが、先着順となります。予めご容赦ください。

 
 

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